「徳山」駅周辺整備や再開発で生活利便がアップした周南市徳山エリア

瀬戸内海に面した自然と産業のバランスが取れた街

周南市は山口県の東南部に位置し、2003(平成15)年に徳山市、新南陽市、熊毛町、鹿野町が合併して誕生した。面積は山口県で5位の広さを誇る周防地域の主要都市だ。

江戸時代には海沿いでコメや塩が作られ、さらに港が整備されるなど古くから発展し、瀬戸内海沿岸を中心に今も広く市街地が形成されている。第二次世界大戦後、臨海部に設置された周南コンビナートは、石油化学を中心とした産業拠点として、瀬戸内エリアの経済や地域の雇用を支えてきた。煌々と輝く工場群の景観は「五大工場夜景」にも選ばれる夜景スポットとしても知られ、産業のまち・周南を象徴する存在として、多くの人を魅了している。

太華山から見た徳山の工場夜景
太華山から見た徳山の工場夜景

周防地域および周南市の拠点としてにぎわう徳山エリア

徳山エリアは「徳山」駅周辺に広がり、旧徳山市の中心市街地として発展してきた。現在も「周南市役所」がある周南市の拠点だ。「徳山」駅には山陽新幹線ののぞみ号も一部停車し、「広島」駅には21分ほど、「博多」駅には44分ほどでアクセスできる。「徳山」駅前のバスターミナルからは各地へ向かう高速バスも利用可能。さらに「徳山」駅みなと口近くの「徳山港」からは、大分県の「竹田津港」へのフェリーも発着するなど、交通アクセスの利便性が高い。

「周南市立徳山駅前図書館」
「周南市立徳山駅前図書館」

徳山エリアではすでに“徳山駅周辺整備事業”として、「徳山」駅の橋上駅舎化と南北自由通路整備、「徳山」駅北口と南口の駅前広場整備、「周南市徳山駅前賑わい交流施設」整備などが行われた。2020(令和2)年度までにすべての事業が完成しており、「徳山」駅を挟んで南北の行き来が容易になったほか、「徳山駅前賑わい交流施設」には「スターバックスコーヒー」や「蔦屋書店」と一体になった「周南市立徳山駅前図書館」が誕生している。

2024年春にオープンした「徳山デッキ」
2024年春にオープンした「徳山デッキ」

さらに、2024(令和6)年には「徳山」駅前地区の再開発が完了。スーパーマーケット「業務スーパー 徳山デッキ店」などが入る「徳山デッキ」がオープンした。徳山デッキを含めた駅周辺エリアは、「周南冬のツリーまつり」や「徳山夏まつり」など、徳山の街の四季折々を彩るさまざまなイベントの舞台としても知られており、賑わいにあふれている。

周南冬のツリーまつり 青空公園のキャンドルツリー
周南冬のツリーまつり 青空公園のキャンドルツリー

なお、周南市と周辺自治体を比較すると、2021(令和3)年の大型小売店数は周南市が17店舗に対し、下松市は10店舗、防府市は16店舗となっていた。同年の病院数は周南市では13施設あるが、下松市は3施設、防府市は8施設にとどまる。このデータからも、周防エリア内における周南市の生活利便性の高さがうかがい知れるだろう。

周防エリア内でも商業施設が充実する周南市。写真は「ゆめタウン徳山」
周防エリア内でも商業施設が充実する周南市。写真は「ゆめタウン徳山」

子育て支援や移住者支援も充実

周南市では「こどもまんなか」をキャッチフレーズに、全力で子育てを応援している。例えば、0歳から4歳未満の子どもとその保護者が利用できる「子育て交流センター・支援センター」を市内各地に設置しており、親子で自由に遊べる場として好評を博している。徳山エリアからは「周南市子育て支援センター ぞうさんの家」が使いやすい。

「周南市子育て支援センター ぞうさんの家」
「周南市子育て支援センター ぞうさんの家」

「乳幼児・こども医療費助成制度」は2024(令和6)年4月から対象が拡大された。現在は、山口県内の医療機関や薬局で受診する周南市在住の子どもは、18歳の年度末まで保険医療費の自己負担分が不要になっている。

周南市では移住者への支援にも力を入れている。「周南市東京圏等在住者移住支援金」は東京圏をはじめとした大都市から移住し、就業または創業した場合に支給されるものだ。金額は最大で100万円となり、18歳未満の子どもがいる場合は1人につき100万円が加算されるのもうれしい。

市民は周南市に高い愛着心を持つ

2019(令和元)年に発表された『周南市市民アンケート調査報告書』によると、周南市への愛着を「感じている」または「どちらかといえば感じている」と回答した人の割合は合わせて70.8%に上った。愛着を感じている人の割合は市内居住年数が10~20年で最も高く、近年移住してきた市民も魅力を感じていることが伺える。

周南市への愛着度(『周南市市民アンケート調査報告書』より)
周南市への愛着度(『周南市市民アンケート調査報告書』より)

周南市で「誇りに思うもの」と尋ねた質問では「景観・自然環境」や「産業」という回答が多かった。この結果から、市民は自然と産業のバランスのよさを評価し、愛着心につながっていると考えられる。

山陽新幹線「のぞみ」号が停車する「徳山」駅に近く、買い物や子育ても便利な徳山エリア。山口県有数の主要都市ならではの利便性を持つ周南市内でも、暮らすメリットが多い街だ。

あわせて読みたい。関連ページ